『必要な時に、一つの何気ない言葉。』ep.1

りんごと一人の少女。

2025/11/14 00:00

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「全部背負って生きていけ。」

 

友達の死の匂いに、“明日、死ぬかもしれない”を、身近に感じてしまったわたしは、恐怖と悲しみに呑まれていました。もうすぐ舞台の本番を迎える時でした。

 

そんな時に言われたのが、この言葉です。

 

 

貴方が今、与えられた役というのは、誰かが死ぬほど演じたかった役。

たくさんの人がオーディションに落ちていて、貴方がその屍の上に立っているということを、その責任を決して忘れてはいけない、と。

 

そして貴方が生きている“今日”という日は、誰かが死ぬほど生きたかった“明日”なんだ、と。

 

呑まれている場合ではない。そういう人たちの想いも全部全部背負って、精一杯、生きろ、と。

 

 

…最初、正直、この人はなんて酷い、惨いことを言うんだろうと、恨んだ。

 

無理だよ!そんな責任、背負いたくないよ!!背負えないよ…重い、とても重すぎるよ。

 

 

でも、“明日、もしかしたら自分も死ぬかも”という恐怖は、だからこそ今日を頑張れる理由にもなりました。

 

精一杯、生きよう。

 

最初から全員分の責任を背負うことは無理でも、でもその意識は、確かに責任感を芽生えさせ。

自分にしか向いていなかった意識が、観にきてくださるお客様へ。そしてその先へ。

 

死にたいと思っていたとしても、もしかしたら今日という日は尊くて。

あっ、明日を少しでも生きてみたい、なんて思ってもらえたらな。

 

そうしたら、役者冥利に尽きるってもんで。

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