
『必要な時に、一つの何気ない言葉。』ep.5
「本来、旅っていうのはね。」
人間の温かさを感じたのは、フランスという異国に行ったときもありました。
そもそも、そう。外国の人ってアジア人に冷たいのかなっていう思いがあったから、びっくりしたわけです。
そんな時に、尊敬する方が言っていた言葉をふと思い出すわけです。“旅は、価値観を壊されること”だって。
最近は、SNSやインターネットで綺麗な場所の写真を見て、此処に行きたい!となり、そして実際に行ってみてその写真との違いを確認するだけになってしまっている、と。
でも本来、旅とは。
価値観を壊されることによって、初めて生来の自分の価値観に気付かされることであるんだ、と。
困っていると向こうから声をかけてくれる。年配の方がいたらスッと席を譲ってくれる。
わたしが地下鉄に揺られてふらついたら、倒れないようにと咄嗟に手を差し伸べてくれる。つたない英語でも喋ってくれる。小粋なジョークを言ってくれる。
異国の地でこういうことに感動したわたしには、そもそもたくさんの“偏見”があったことに嫌でも気付かされるわけです。
あー小さいなぁ。自分。世界はこんなにも広いのに。
その方が、取材のために現地へ足を運んで、生の声を聞いて、物語を紡がれている理由が少し分かったような気がしました。

